タトゥーの傷の深さ
タトゥーの深さは一般的に皮膚の表面から約1.5mmから約3mmの深さに刺されます。深さはタトゥーアーティストによって異なり、タトゥーの種類やデザインにもよりますが、針を深く刺し過ぎると肌の下の層に到達して血管や神経を傷つける可能性があります。そのため、アーティストは、皮膚の深さを正確に調整し安全かつ正確なタトゥーを作成するように努めます。
皮膚の構造
皮膚は、身体の表面を覆う最大の器官であり、多層の細胞からなる複雑な構造を持ち3つの主要な層に分かれています。
表皮層:外側の層で、約0.1ミリメートルから0.5ミリメートルの厚さがあります。表皮層は角質層、顆粒層、有棘細胞層、基底層の4つの層に分かれており。角質層は角質細胞が集まってできた最も外側の層で、防御機能をになっています。顆粒層は角質細胞の前駆細胞が顆粒状に変化する層です。有棘細胞層は細胞が拡散する場所で細胞接着分子が作られます。基底層は表皮層の最も下の層で表皮細胞の分裂が起こる場所です。
真皮層:タトゥーのインクはここの層に入ります。表皮層の下にある約1ミリメートルから2ミリメートルの厚さがあり線維芽細胞、血管、神経、脂肪細胞、および他の細胞からなり表皮層と密接に結合し、皮膚の強度と弾力性を提供するとともに温度、圧力、痛みなどの刺激を感知する受容器を含んでいます。
皮下脂肪組織:真皮層の下にある脂肪組織で、脂肪細胞、繊維芽細胞、神経、血管からなり体温の調節や外傷からの保護、衝撃の吸収、およびエネルギーの貯蔵といった機能を持っています。
傷の治り方
同じ皮膚でも表皮と真皮の傷の治り方は異なります。
表皮は一番下の層から細胞分裂を繰り返し増殖し重なり通常の肌に戻ります
一方真皮は、再生はせず真皮に含まれているコラーゲンが増殖し傷を埋める瘢痕治癒といった方法で治っていきます
治し方
皮膚の作りと治り方がわかったところで本題の傷を早く治す方法です。
主にこの3つがポイントになります
洗い流す、瘡蓋にしない、消毒しない
洗い流すのは分かるけれど、瘡蓋にしない消毒しないとはなぜだと感じた方もいるでしょう。
子供の頃なんかは消毒して瘡蓋になった下で傷が治ると言われていました、しかし瘡蓋になったら痒くありませんでしたか?
瘡蓋の痒みは肌が異物として認識して排除しようとしている動きで痒みが出ていたのです。
それにプラスして体液が乾燥して瘡蓋になると細胞成長分子が死んでしまい傷の治りが遅くなってしまいます。
消毒をしてはいけない理由は、ばい菌を殺すこともできるのですが、怪我をした時傷口から血と共に保護をしたり修復を促す役割の体液まで殺してしまうからです
このような治し方を湿潤療法といい、キズパワーパッドなんかがこの治し方の例になります
タトゥーでのケアの場合は施術後にインクや血液を拭き取り清潔にした後、保護テープを貼ります
このテープは防水で空気に触れることなく傷を治すため出てきた体液を保つことができます。
しかしこの体液ずっと置いておけばいいというものでもありません
止まらせすぎると周りの健康な皮膚がふやけて炎症を起こしてしまいますので、冬場は2〜3日 夏場は1〜2日で剥がし出てきた体液を優しく洗い流しましょう。
⭐︎手間がとれる方でしたらテープを剥がさず針で小さな穴を開け今出てきて溜まっている体液や血などを抜き出し被れないよう、空気に触れないように保つのがベストです
テープを剥がした後は保湿をし傷を覆うことで瘡蓋を分厚くさせないようにケアをしてください。これで瘡蓋ができても薄く膜のようなもので治りも早いです
摂る良い栄養
真皮の治り方で説明した通り真皮の治癒にはコラーゲンが必要ですので、コラーゲンの形成に必要な亜鉛、果物に多く含まれるビタミンを摂りましょう
他にも皮膚の材料であるタンパク質
・肉、魚、大豆製品
血液を作る鉄分
・レバー、貝類
どれかひとつを多く摂取してもバランスが崩れてしまい効率良く吸収されません
これらの栄養素をバランスよく摂り体調を整えることにより最短で傷を治すことが出来ます
タトゥーを綺麗に残すためにもこれらのケアを頑張っていきましょう